人間は正しいことは “したくない”と感じる
モラル・ライセンシングの
続きの話です。
モラル・ライセンシングの
怖さというかやっかいな部分は
全く論理的ではなく、
そのせいで、
自分にとってはプラスではなく
反対のマイナスのことを
してしまうことです。
モラル・ライセンシングのせいで
自分に害を及ぼす行動、
(ダイエットをやめたり、
浪費したり、禁煙をやめるなど)
これを、“ごほうび”だと
勘違いしてしまいます。
そして、
“やりたいこと”を
“すべきこと”だと
信じてしまうらしいです。
もともと
人間は善悪の判断によって
やる気が大きく左右されると
いうことはありません。
人間は最後の本能である
『痛みを避けて、快楽を求める』
これによって行動しています。
つまり、
何を痛みとして、
何を快楽と定義するかで
その人の行動は変わり、
全く違う人生を過ごします。
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コントロールされたくない。
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そして、
ある行為を道徳的に
正しいこととして位置付けると
どういうわけか相反する感情を
いただくようになります。
私たちは
自分のためになることでも
他人から押し付けられると
それに反発してしまうのです。
『健康になる方法』
『勉強のやり方』
『幸せになるための考え方』
そういう
自分にとってメリットのある
話もでも断定されたり、
強制されると反発してしまいます。
なんでもそうですが、
人間はコントロールされることを
嫌がります。
あなたが
子どもの時に勉強のやり方や
やるタイミングを
親から強制されて
嫌な思いをした方は
けっこういると思います。
これと同じで
正しいことや自己改善を
行うために自分自身にルールを
課そうとすると
コントロールされたくないあなたが
抗議の声を上げてきます。
あなたが
ダイエットや
子どもの声かけなどの
教育について、
「正しいこと」だからやろう!
としても決心はなかなか続きません。
自分がチャレンジしたいこと、
目標達成したいことは
善悪で判断せずに、
自分にとって、
メリットがあるのか、
やりたいのか
そういう基準で判断すると
頑張れる確率が高くなるそうです。
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脳はがんばるとサボろうとする
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シカゴ大学ビジネススクールの
アイレット・フィッシュバッハ教授と
イエール大学マネジメントスクールの
ラビィ・ダール教授は
『人は目標に向かって前進すると、
逆に目標から遠ざかるような
行動をしたくなる』
という研究結果を示しました。
教授たちは
ある実験でダイエットが順調に
進んでいる参加者たちと面会し、
各自の理想の体重にどれだけ
近づいたのかを確認しました。
参加者は奨励賞として
りんごかチョコレートバーを
もらえます。
すると、
進歩を自覚して気分がよくなった
参加者の85%はりんごではなく
チョコレートバーを選びました。
これに対して、
進歩の状況を確認しなかった
参加者の場合は
チョコバーを選んだのは
58%になったそうです。
別の実験では
学業面においても
同様の結果が出ています。
試験勉強を何時間くらい
行ったかを確認した学生は
気分がよくなり
その晩は
友達と飲みに行ってしまう確率が
高いことがわかったそうです。
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欲求の解放に気をつけて。
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人はなにか行動している時や
チャレンジしている時は
相反する二人の自分がせめぎ合います。
「長期的な利益」と「目先の利益」
子どもに当てはめると
受験合格のための勉強と
目の前のゲームです。
試験結果などで
自分の予想以上の点数が取れると
脳は精神機能を切り替えて
今、満たされていない欲求を
満たそうとします。
そこで
必要以上にゲームなど
自分が短期的に楽しいものを
やってしまうそうです。
これを
心理学者は
“欲求の解放”
と呼んでおり、
1歩前進して2歩下がるという
状況にならないように気をつけて
いきましょう。
子どもだけでなく、
あなた自身も気をつけてください。
自分の頑張りを認めたり
ごほうびを与えるのは
とてもいいことだと思います。
特に育児・家事に関しては
誰からも評価されづらいので。
しかし、
欲求の解放にはまってしまい、
本来の目的から遠ざかることだけは
ないように
なにかごほうびを
自分に与える時は
ちょっとだけ気にしてみてください。
『欲求の解放』に
陥っていないのか。。。
無駄な買い物や食事など
減らせると思います。
本日も最後まで
お読みいただき
ありがとうございました。